コラム
共有持分権を正しく理解しよう|権利の内容と活用方法をわかりやすく紹介
更新日時:2025年10月25日

1つの不動産を複数の所有者で共有する場合において、それぞれの所有者に認められる「共有持分権」。相続などをきっかけに、意図せず共有者の一人となるケースも少なくありません。しかし、共有持分権は通常の所有権とは異なり、制約の多い権利です。
この記事では、共有持分権の基本から活用方法まで、初心者にもわかりやすく解説します。
共有持分権とはどんな権利?
共有持分権とは、具体的にどのような権利なのでしょうか。まずは、共有持分権の基本的な意味と、認められることについて見ていきましょう。
共有者が共有不動産に対して持つ共有持分権
通常の不動産は、一人の個人または一つの法人が所有権を持つのが原則です。しかし、相続や共同出資での購入など、何らかの理由で複数人が一つの不動産を所有しているケースがあります。このような不動産を「共有不動産」といい、所有権を持つ人を「共有者」と呼びます。
そして、各共有者が持つ不動産に対して有する持分割合に応じた権利のことを「共有持分権」というのです。
共有持分権で認められること
共有者は、それぞれが持つ共有持分の割合に応じた権利を有します。とはいえ、不動産、特に建物は物理的に分割して使うことが難しく、一部しか利用できないとなると価値が大きく損なわれてしまいます。そのため民法では、各共有者は持分の割合にかかわらず、共有不動産全体を使用できると定められているのです。
ただし、不動産に対する行為によっては、共有者一人の判断では行えないものもあります。よって、共有持分権は通常の所有権に比べて制約の多い権利といえるでしょう。
共有持分権で認められる3つの行為と制限
共有者が共有不動産に対して行えることは、法律上、大きく「保存行為」「管理行為」「変更行為」の3つに分類されます。それぞれの行為には、単独で行えるものと、他の共有者の同意がなければ行えないものがあります。
まずは、3つの行為の内容と具体例、権利行使の要件について、表で確認しましょう。

(1)共有不動産の保存行為
保存行為とは、共有不動産の現状や価値を維持するために行われる行為を指します。具体的には、建物の屋根の雨漏り修理や不具合箇所の修繕、不法占拠者に対する明け渡し請求などが該当します。これらの行為は、現状維持のために緊急性が高いと判断されるため、他の共有者の同意は必要ありません。
(2)共有不動産の管理行為
管理行為とは、共有不動産の性質を根本的に変えない範囲で、利用・改良する行為のことです。代表的な例として、土地なら5年以内、建物なら3年以内の短期賃貸借契約や、不動産の管理を委託する契約の締結などが挙げられます。これらの行為を行うには、共有者の頭数における過半数ではなく、「持分価格の過半数」の同意を得なければなりません。
(3)共有不動産の変更行為
変更行為は、共有不動産の物理的な性質を大きく変えたり、法律上の権利関係に変動を生じさせたりする行為を指します。変更行為には「軽微な変更」と「軽微でない変更」の2種類があります。
「軽微な変更」とは、不動産の形状や効用の大きな変更を伴わない行為のこと。例えば、内装のリフォームや駐車場の舗装などが該当します。これは管理行為と同様に、持分価格の過半数の同意で実施できます。
一方、「軽微でない変更」とは、不動産全体の売却や建物の解体、大規模な増改築、抵当権の設定など、不動産に根本的な変化をもたらす行為のこと。これらの重大な行為を実施するには、共有者全員の同意が不可欠となります。
ただし、不動産全体ではなく、自分自身の「共有持分のみ」を売却するのであれば、他の共有者の同意なく単独で行えます。
共有持分権の活用方法は?
共有持分権を有効活用するには、どのような方法があるのでしょうか。結論からいうと、共有不動産を第三者に長期で貸したり、建て替えたりするには他の共有者の同意が求められるため、一人の意思で活用するのは難しいのが実情です。
そのため、場合によっては売却も視野に入れて検討するのがよいでしょう。ここでは、具体的な活用方法を4つ紹介します。
第三者に短期で貸し出す
前述のとおり、土地は5年、建物は3年以内の短期の賃貸借契約であれば、持分価格の過半数の同意で締結が可能です。
多くの共有者と活用方針について意見が一致しているなら、例えば、3年以内の定期建物賃貸借契約を第三者と締結するなどして、収益化を図ることも一つの手です。得られた賃料は、持分に応じて共有者間で分配することになります。
一人の共有者が居住して使用料を支払う
共有者の中に「その不動産に住みたい」あるいは「事業で利用したい」という人がいれば、その人が使用することも考えられます。これなら不動産に余計な手を加える必要がなく、他の共有者の手間もかかりません。
その場合、不動産を使用する共有者は、他の共有者に対して使用料を支払うのが一般的です。この使用料は周辺の家賃相場を基準に決めるのが原則ですが、双方にとって納得感のある金額を設定できるかどうかが肝になります。使用料の設定をめぐって、共有者間でトラブルに発展する可能性も考慮したほうがよいでしょう。
共有者全員で第三者に長期賃貸もしくは売却する
共有者全員の意見がまとまるのであれば、不動産全体を第三者に長期で貸し出したり、売却したりする選択肢もあります。賃貸であれば安定した家賃収入が得られ、売却するのであれば、まとまった現金を得られる有効な活用方法です。
ただし、前述のとおり、これらの行為には共有者全員の同意が必須となります。共有者が複数いるケースでは、全員の活用方針が一致するとは限らないため、実現のためのハードルは高いといえるでしょう。
共有持分のみ売却する
他の共有者との話し合いがまとまらず、自分だけでも共有状態から抜け出したいと考えるなら、自分の共有持分のみを売却する方法があります。
自分の共有持分のみであれば、他の共有者の同意なく単独で売却することが可能です。しかし、権利が限定される共有持分を一般市場で売却するのは簡単ではありません。そのため、共有持分を専門に買い取る不動産会社へ売却するのが、一般的な選択肢となるでしょう。
この方法であれば、確実に共有関係から離脱できるうえ、まとまった現金を手に入れることもできます。

まとめ
共有持分権は、一つの不動産を複数人で所有する特殊な権利形態であり、通常の所有権に比べてさまざまな制約が伴います。権利の行使には他の共有者の同意が必要な場面が多く、意見の対立からトラブルに発展することも少なくありません。
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