コラム
共有持分の仕組みと活用法|共有不動産のトラブル回避術
更新日時:2025年10月18日
共有持分とは?基本の仕組みを正しく理解しよう
不動産の所有権には、「単独所有」と「共有」という2つの形態があります。中でも「共有持分 とは」、一つの不動産に複数人が所有権を持ち合う「共有」形態の中で、それぞれの所有割合(持分)を明確にしたものを指します。これは、相続、共同購入、贈与などの事情で不動産を複数人が所有する場合によく見られます。
例えば、兄弟姉妹で親から土地を相続したケースでは、法定相続分に基づいてそれぞれが共有持分を取得します。登記簿には、「甲:1/2、乙:1/2」などと記載され、各人が自らの持分に対して一定の処分権を持ちます。ただし、物理的に不動産を分けるのではなく、不動産全体に対して抽象的に共有するという性質である点がポイントです。
この「共有持分 とは」どのような権利かを理解することは、後述する活用方法やトラブルの予防において極めて重要です。
共有不動産のメリットと活用法
共有持分の不動産には、メリットも多く存在します。特に、購入資金を分担して共同購入できることや、相続で法定相続人全員が公平に権利を持てるという点は大きな利点です。
また、共有者の一人が持分を活用して賃貸収入を得たり、他人に売却して資金化することも、法的には可能です(ただし一定の制約あり)。たとえば、マンションの共有名義の一部を第三者に売却し、その資金を新しい不動産の購入に充てる、といった活用例もあります。
さらに、最近では不動産クラウドファンディングや共有型不動産投資商品など、共有持分を資産運用に活かす新しい仕組みも登場しており、投資手段としての側面も注目されています。
一方で、共有である以上、単独での利用・処分には制限がかかるため、次章以降でその注意点と対策について詳しく解説していきます。
共有持分に関するよくあるトラブル
共有持分には、単独所有にはないさまざまなトラブルの火種が潜んでいます。その中でも代表的なのが「不動産の使用や管理を巡る共有者同士の対立」です。
例えば、一人の共有者が無断で第三者に賃貸した場合、他の共有者の同意を得ていないと、契約の効力が争われたり、不法占拠と見なされるケースもあります。また、リフォームや修繕をしたくても、共有者の一部が反対すると進めることができない、という制約もあります。
また、「持分の売却」によって知らない第三者が共有者となり、使用や処分の調整が難航するケースもよくあります。これは、特に相続後に発生することが多く、「空き家問題」や「相続登記未了問題」にも直結する社会的課題となっています。
こうした背景から、「共有持分 とは」何かを正しく理解し、共有者間で事前に合意形成を行うことが極めて重要です。

共有持分を巡る法的ルールとその限界
共有不動産の管理・使用・処分には、民法第264条以下に規定されたルールがあります。たとえば、不動産を使用する際には「持分の割合に応じた利用」が原則ですが、現実的には使い方や頻度を公平に保つのが難しいため、共有者間で具体的な取り決めを設けることが推奨されます。
不動産全体を売却するには共有者全員の同意が必要ですが、持分の売却は単独でも可能です。これは持分が独立した財産権として認められているためですが、これによって知らない他人が突然共有者となるリスクを招きます。
また、賃貸借契約のような継続的契約や、担保権(抵当権)を設定する場合、原則として共有者全員の合意が必要になるケースが多く、一部の共有者だけの判断では不完全な契約になる可能性があります。
このように、「共有持分 とは」単なる分割所有ではなく、他者との合意形成と継続的な協力が求められる関係であることを理解しなければなりません。
トラブルを回避するための実践的ポイント
共有不動産のリスクを抑え、円滑に管理・活用していくためには、いくつかの実践的な対策があります。
● 共有契約書・合意書の作成
不動産購入時や相続発生時に、共有者全員で使用方法、修繕費の負担、賃貸や売却の方針を明文化した契約書を作成することで、将来的な対立を予防できます。
● 代表管理者の選任
管理の窓口となる人物を一人選任し、定期的な報告や協議を行う体制を作ることで、意思決定をスムーズに行えるようになります。
● 持分の整理・買取制度の活用
共有関係が煩雑になった場合、他の共有者による買取や、第三者による買取制度(いわゆる「持分買取サービス」)を利用して、共有状態を解消することも検討に値します。
これらの手段を通じて、「共有持分 とは」単なる権利ではなく、適切な管理と対話が必要な財産形式であることを再認識することが重要です。

まとめ|共有持分を活かすためには理解と対策がカギ
予防策までを解説してきました。
共有持分は、不動産を効率的に取得・利用する手段である一方で、管理や処分の難しさから多くの課題も抱えています。とくに、複数人で一つの資産を共有するという特性上、法律・実務の知識に加えて、関係性のマネジメントも求められるのが現実です。
したがって、共有名義で不動産を持つ場合には、あらかじめ共有契約を交わし、意思疎通の仕組みを整備することがトラブル回避の第一歩となります。さらに、将来的な出口戦略(売却、持分整理、相続対策など)を視野に入れておくことで、安心して不動産を維持・運用していくことができるでしょう。
「共有持分 とは」、正しく理解し、適切に活かすことで、あなたの不動産資産がより安全で有効なものとなるのです。
