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共有持分を売却したい。仲介会社と買取会社どちらを選べばいい?

更新日時:2025年06月9日

 



共有不動産の共有持分を持っているものの、活用方法がなく、売却したいと考えている方もいるかもしれません。不動産の共有持分を売却する場合、相談先は大きく「仲介会社」と「買取会社」に分かれます。それぞれ異なる特徴があるため、状況に応じて適切なほうを選ぶことが重要です。

この記事では、仲介会社と買取会社の特徴の違い、共有持分売却を依頼するにあたってのメリット・デメリットを解説します。ケース別にどちらがおすすめなのかも紹介するので、共有持分の売却をご検討中の方は必見です。

共有持分売却時の選択肢|仲介会社と買取会社


通常、不動産を売却する場合、仲介会社と媒介契約を締結します。仲介会社は、売主に代わって広告宣伝や顧客からの問い合わせ対応などを行い、買主を探します。買主が見つかったら、不動産売買契約の締結をサポートし、対価として仲介手数料を受け取る仕組みです。

一方の買取会社は、買い取った不動産を転売したり賃貸したりすることを目的とし、買主から直接購入します。共有持分のような特殊性の高い不動産についても、専門的に買い取る会社が存在します。

下の表は、共有持分の売却における、仲介会社と買取会社の特徴を比較したものです。


共有持分売却を仲介会社に依頼するメリット


 



共有持分の売却を仲介会社に依頼することによる、主なメリットは以下の2点です。

マーケットに近い価格での売却が狙える


仲介会社に依頼すると、共有持分を購入する買主を探してきます。共有持分は特殊性が高いため、買主は投資目的の個人や法人となるケースが多いでしょう。

仲介会社は仲介手数料収入を得ることを目的としていますが、手数料の金額は売却価格によって決まるため、なるべく高値で売れるよう売却活動を展開します。そのため、買取会社に買い取ってもらうよりも、高値で売却しやすいのが大きなメリットです。物件によっては、市場価格とそれほど変わらない価格で売却できることもあるでしょう。

売却に関してプロのサポートを受けられる


自ら共有持分を第三者に売却しようとすると、自分で買い手を見つける必要があります。売却価格の交渉や売買契約に関する手続きなどもすべて自分で行わなければならず、大きな労力と時間がかかるでしょう。

不動産売買のプロである仲介会社に依頼すれば、購入希望者の問い合わせ対応や交渉、売買契約に向けた準備、締結後の登記手続きなどもサポートを受けられます。プロのサポートにより手間を省けるだけでなく、手続きにおけるミスを防ぐ効果も期待できます。

共有持分売却を仲介会社に依頼するデメリット


仲介会社に売却を依頼すると、買取会社へ依頼する場合と比べ、次のようなデメリットがあるため注意しましょう。

仲介手数料を支払う必要がある


仲介会社を通せば高値で売却できる可能性がある反面、仲介手数料を支払わなければならないのがデメリットです。仲介手数料は、宅地建物取引業法で上限額が定められており、その範囲内において当事者間で決めることとされています。上限額の計算式は次のとおりです。

不動産売買の仲介手数料の上限額



例えば、共有持分を1,000万円で売却するとき、仲介手数料の上限額は「1,000万円×3%+6万円+税=39.6万円」となります。共有持分の価値が高まれば、仲介手数料も高まるため注意しましょう。

確実に売却できるとは限らない


仲介会社は買主を探すだけであって、自ら共有持分を購入するわけではありません。そのため、需要の低い物件だと買主を見つけるまでに時間がかかるケースもあります。場合によっては、そもそも買い手が現れないこともあるでしょう。共有持分の主なターゲットは投資家や投資法人であるため、一般の物件に比べ、収益性がよりシビアに見られるというのもネックです。

共有持分売却を買取会社に依頼するメリット


 



次に、共有持分を買取会社に売却するメリットを見ていきましょう。

比較的スピーディに売却できる


共有持分は利用や処分に制約があるため通常の市場では売却しにくく、仲介会社に依頼しても買い手がつかないケースがあります。このような場合でも、専門的なノウハウを持った買取会社であれば、買い取ってくれる可能性があるでしょう。

しかも、買取会社自身が直接買い取るため、購入する意思さえ固まれば、手続きがスムーズに進むのもポイント。売却までにかかる期間は数週間〜1ヶ月程度が目安で、仲介による売却に比べて圧倒的にスピーディです。

周囲に売却しようとしていることがバレにくい


人によっては、共有持分を売却しようとしている事実を他人に知られたくないというケースもあるでしょう。

仲介会社に依頼すると、買主を見つけるために広告宣伝が打たれるため、自然と周囲の人にバレてしまいます。一方、買取会社とのやりとりは直接担当者と行うので、引き渡すまで他人に知られることなく進めることも可能です。

仲介手数料がかからない


買取会社に売却する場合、売主との直接取引になるため、仲介手数料がかからないのもメリットです。先述のとおり、売却価格が高額になると数十万円〜百万円超の仲介手数料がかかる場合もあります。これだけの費用を節約できるのは、大きなメリットといえるでしょう。

共有持分売却を買取会社に依頼するデメリット


共有持分売却を買取会社に依頼することには、当然デメリットもあります。

買取価格が市場価格よりも低い


買取会社に相談すれば、一般市場での売却が難しい共有持分でも買い取ってもらえる可能性がある反面、買取価格は仲介会社に依頼する場合よりも低くなる傾向にあります。これは、仲介会社と買取会社の収益モデルの違いが要因です。

仲介手数料を収益源とする仲介会社に対し、買取会社は、購入した不動産を収益物件として運用したり転売したりして利益を得ています。利益を増やすには買取価格を下げたほうが有利になるため、市場価格よりも低い金額で買い取るのです。

とはいえ、通常であれば買い手がつきにくい共有持分を買い取ってもらえるというのは、大きな魅力になるでしょう。

他の共有者との関係が悪化するリスクがある


買取会社に売却するときに気をつけなければならないのが、場合によっては他の共有者との関係が悪化する恐れがあることです。依頼する買取会社によっては、他の共有者に対して、共有持分の購入・売却を執拗に働きかけるケースがあります。こうした無理な交渉が他の共有者の不信感を招き、共有者間の関係を悪化させてしまうのです。

他の共有者との関係悪化を防ぐためには、持分買取や共有者との交渉の実績が豊富な買取会社に依頼することが大切です。信頼できる会社に買い取ってもらえば、売却後も他の共有者との良好な関係を維持できるでしょう。

【ケース別】仲介会社と買取会社、どちらがおすすめ?




最後に4つの具体的なケースに関して、仲介会社と買取会社のどちらがおすすめなのか解説します。なお、ここで紹介するのは一般論なので、あくまでも参考としてご覧ください。

少しでも早く売却したいなら「買取会社」


「現在の共有状態から一刻も早く離脱したい」「まとまった現金がすぐに必要」など、共有持分を少しでも早くしたいと考えているなら、買取会社に依頼するのが適しています。買取会社の場合、買い取りの意思さえ固まれば数週間〜1ヶ月程度で売却でき、速やかに現金化することが可能です。

仲介会社への依頼でも、早めに売却が決まることはあるものの、物件次第では長い期間を要するかもしれません。

共有状態からの離脱を優先するなら「買取会社」


共有状態から離脱することを強く望むのであれば、買取会社に買い取ってもらうのが得策です。先述のとおり、仲介会社に依頼したとしても、買い手が見つからなければ共有持分を手放すことはできません。

一方、買取会社は共有持分を自社で直接買い取るため、仲介会社に依頼する場合よりも持分を手放せる可能性は高いといえるでしょう。

売却したことを周囲に知られたくないなら「買取会社」


共有持分を売却したことを周りの人に知られたくない場合、買取会社一択といえます。仲介会社は、なるべく早く買い手を見つけるのが目的なので、さまざまな広告媒体に物件情報を掲載します。そのため、売却手続きを進めていることが高確率で知られてしまいます。秘密裏に売却したいのであれば、買取会社に直接相談するのが得策です。

時間がかかっても高値での売却を狙うなら「仲介会社」


共有持分の売却を急いでいるわけではなく、できるだけ高値で売却したい方は、買取会社よりも仲介会社に依頼するのが適しています。仲介会社に依頼すれば、市場価格に近い価格で売却できる可能性があるでしょう。買取会社の買取価格は市場価格よりも低く設定されるのが一般的なので、売却価格にこだわる方はあまり向いていません。

まとめ


共有持分を売却する場合、何を優先するかによって、仲介会社・買取会社どちらに依頼すべきかが変わります。選ぶ基準を一言でまとめると以下のとおりです。

・なるべく早く、より確実に売却したい場合   → 買取会社への依頼がおすすめ

・時間がかかっても、より高値で売却したい場合 → 仲介会社への依頼がおすすめ

大正ハウジングは、不動産売却の仲介のほか、共有持分の買い取りも行っています。所有する共有持分の処分をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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