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共有持分の相続で“もめる”理由とその回避策

更新日時:2025年06月29日


共有持分とは?相続時に発生する問題の基本構造


不動産を複数の相続人が相続する際、その物件を「共有」で持つ形になることがあります。これが「共有持分」であり、各相続人が不動産の一定割合を法的に所有する状態です。例えば、兄弟2人が父の持ち家を相続した場合、2分の1ずつの共有持分を持つことになります。一見平等で合理的に見えるこの形態ですが、実はこの「共有持分」という制度こそが、相続後のトラブルの火種となることが少なくありません。

 

 

なぜ共有持分の相続は“もめる”のか?


共有持分の相続で最も多いトラブルは、「意見の不一致」による対立です。たとえば、不動産を売却して現金化したいと考える相続人と、今後も住み続けたいと希望する相続人の利害が衝突するケースです。また、管理や修繕費の負担割合、固定資産税の支払い義務、賃貸に出すか否かなど、共有不動産には継続的な意思決定が求められますが、そのたびに共有者の合意が必要となります。この「合意の必要性」が大きな足かせとなり、関係が悪化すれば、話し合いすらできない状態に陥る可能性があります。


特に“もめやすい”ケースと実例


特にトラブルになりやすいのは、相続人同士の関係が希薄だったり、すでに感情的なわだかまりを抱えていたりするケースです。例えば、疎遠だった兄弟姉妹が親の死後に久しぶりに顔を合わせ、相続財産を巡って対立するようなケースでは、共有不動産を巡る協議が難航します。また、ひとりの相続人がその不動産に住んでいる場合、他の相続人との間で「使用料相当額を払うべきか」といった争点が生じることも珍しくありません。こうしたケースでは、最終的に共有物分割訴訟に発展することもあります。

 

“もめない相続”を実現するためのカギは「事前対策」


相続時の共有を避けるためには、生前の「事前対策」が非常に有効です。たとえば、「遺言書の作成」によって、あらかじめ不動産の相続先を特定することで、共有相続を回避できます。また、「家族信託」を利用することで、財産管理と分配のルールを生前に設計する方法も注目されています。さらに、相続人同士で事前に相続の方針について話し合い、「遺産分割協議」の下準備をしておくことで、揉める余地を極力減らすことができます。

 

共有相続をしてしまった場合の解決方法


すでに共有相続が発生してしまった場合でも、状況に応じた解決方法があります。まずは「共有物分割協議」によって、共有者間で不動産の処分方法(売却・代償分割・現物分割など)を話し合うことが基本です。話し合いでの解決が難しい場合は、「共有物分割請求訴訟」を裁判所に申し立てることが可能です。ただし、訴訟は時間と費用がかかるうえ、関係がさらに悪化するリスクもあるため、可能な限り協議による解決を目指すのが望ましいでしょう。

 

専門家との連携で“もめない相続”を実現する


相続と共有持分の問題は、法的にも感情的にも非常に複雑です。だからこそ、早い段階で弁護士、司法書士、税理士などの専門家と連携することが重要です。遺言作成の段階から専門家のサポートを受けることで、法的に有効かつ実行力のある対策を講じることができます。また、相続税や不動産評価額の算定についても専門知識が求められるため、税務の視点からのアドバイスも欠かせません。将来的な家族関係の安定を見据えた上で、相続対策を“今から”始めることが、何よりの防衛策になるのです。

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