相談事例
不動産の共有持分の放棄について
更新日時:2023年03月19日
共有持分を相続したが、持分割合が少なく、また共有者の人数が多いため、共有持分を放棄したいとのご相談がありました。
民法では、共有者の一人がその持分を放棄したとき、他の共有者に帰属するという規定があります。
共有持分の放棄は、いつでも一方的な意思表示でできますが、意思表示だけでは登記の変更はできません。
共有持分を移転する登記は、実務上、帰属された共有者と共同で申請する必要があります。
共有持分の放棄は、共有持分を取得する共有者が複数いるとき、それぞれの持分割合に応じて帰属します。
また、注意点として、共有持分の放棄はみなし贈与となるので、帰属された共有者に贈与税が課税されます。
帰属された共有者が、登記申請に応じない場合、「登記引取請求訴訟」にて登記名義を引き取るべきである
という訴訟を起こします。これにより裁判所が認めれば、共有持分を放棄した者が単独で登記が可能となります。
但し、訴訟には時間と費用がかかりますので、できるだけ登記申請に協力してもらうことをお勧めします。