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共有不動産の基礎知識

更新日時:2022年11月6日

共有不動産で悩みや問題を抱えている方のご相談が増えております。共有不動産は、正しい知識で早期に対処をしないと、大きなトラブルに発展する場合があります。
そもそも共有不動産とは何か、回避する方法はあるのか、基礎知識やメリット・デメリットをご紹介します。

【共有不動産とは】
共有不動産(共有名義不動産)とは、一つの不動産に対し複数の名義人で所有している不動産をいいます。また、それぞれの所有権の割合のことを
共有持分(共有持分割合、持分割合)といいます。不動産の購入時に夫婦や親子で資金を出し合い、共有不動産にすることもありますが、
多くの場合は相続によるものです。では、なぜ相続時が多いのでしょうか。

【相続時に共有不動産を選ぶ理由】
不動産の相続で遺言書がなく、複数の相続人がいる場合は、「遺産分割協議」を行い分割方法を決めることになります。分割には、不動産を現物で分ける「現物分割」、
相続した不動産を売却し得た売却益を分配する「換価分割」、相続人の一人が不動産を所有し他の相続人にそれ相応の金銭を渡す「代償分割」の三つの方法があります。
これらの方法で相続した不動産の分割ができれば良いのですが、実際には先祖から引き継いだ土地を失いたくない、他の資産がなく分けることが難しい等の理由から、
とりあえず共有不動産にするという方法がとられるのです。

【共有不動産として相続するメリット・デメリット】
一見有効な手段のように思える共有不動産ですが、長い目で見るとデメリットの面が強くなり、トラブルへと発展することが多くあります。
メリット・デメリットを理解して、相続時には間違いのない判断をすることが大切です。
●メリット
(1)公平に遺産を分けられる
相続財産が不動産である場合に共有にすることで複数の相続人の間でも持分に応じて公平に遺産を分けられます。
(2)節税になる可能性がある
居住用の不動産を売却すると、譲渡所得から最高3000万円までの特別控除を受けられる可能性があります。
共有不動産の場合、相続人の数だけ控除が受けられるので、高額な不動産を相続して売却したい場合等には有効です。

●デメリット
(1)管理や売却がしにくくなる
共有不動産を管理したり売却したりするには、共有者の同意が必要となります。しかし、他の共有者が協力的な立場となる保証はありません。
月日がたてば考えが変わることもあります。特に売却は全員の意見が一致する必要があるため、話をまとめるのが困難となります。
(2)共有不動産が増えることで共有持分が複雑になる
共有不動産をそのままにしておくと、共有者の一人が亡くなった時にその相続人が共有持分を相続することになります。
相続が繰り返されると関係の薄い共有者が増え、連絡を取ることすら困難になってしまいます。

 

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